認知再構成法の紹介

自分が学んだ認知再構成法について紹介します。

認知再構成法とは

不安や恐怖などネガティブな気分・感情や不適応的な行動と関連している認知(自動思考)を本人が変えたいと思っているときに、より役に立つ柔軟な認知がないか探すための技法です。

ここで言っている自動思考とは、その瞬間に浮かんできた思考のことです。
例えば、忘れ物に気づいたときに、「なんて自分はバカなんだ」と瞬時に思ったとしたら、それはは自動思考です。

認知再構成法の目的

認知再構成法を行うことで正しそうな・もっともらしい思考を見つけていくことが本来の目的ではありません。
様々な角度から物事を検討しブレインストーミングを行いながらあれこれと考えてみる習慣をつけることが目的です。
そうすることで、ストレスが発生したときに過度に不安や恐怖の感情に支配されなくなり、ストレスを和らげることができます。

認知再構成法の手順

  1. 具体的なストレス場面をとりあげる。
  2. その時の気分・感情とその強さを書く
  3. その時の自動思考(イメージを含む)とその確信度を書く
  4. 対象とする自動思考を選択し、その自動思考について様々な角度から検討する
  5. 自動思考とは別の考え方を見つける
  6. 自動思考、気分・感情の強さと確信度を再評価する

ポイント

ストレス場面の選び方

  • 現在また直近の出来事を取り上げる
  • 自分が「変えてみたい」と思う認知が生じた場面を選ぶ
  • ネガティブな気分や自動思考が生じた「その瞬間」を切り取る
  • 主観を入れず、客観的な事実を書く

気分・感情と自動思考の見つけ方

  • 気分・感情と自動思考を分けて考える
  • 命令形や疑問文で終わる思考は、その中に含まれる想いを明確にする
    例)なんで、あの人は〇〇してくれないんだ!?→あの人に〇〇してほしい→人は〇〇すべきだ

自動思考の検討の仕方

以下の項目で検討する

  • 自動思考がその通りだとする事実や根拠
  • 自動思考に反する根拠
  • 自動思考を信じることで生じるメリット
  • 自動思考を信じることで生じるデメリット
  • 最悪どんなことが起きるか?
  • 奇跡が起きたら、どんな素晴らしいことになるか?
  • 現実には、どんなことになりそうか?
  • 以前に多様な体験をしたときにどんな対処をしたか?
  • ほかの人はこの状況に対してどうするか?
  • この状況に対して、自分はどんなことができそうか?
  • もし友人がこの状況になったら、なんと言ってあげるか?
  • 自分自身に対して、どんなことを言ってあげたいか?

新しい考えの見つけ方

  • 再構成された認知は、まったく新しい考えや素晴らしい考えである必要はない
  • 自動思考の確信度が大幅に下がる必要はない

個人的感想

認知再構成法を使えるようになると、何かストレスがあったときに、自分の感情や自動思考を書いて整理してみようとする癖がつきます。

そうすると、「自分はこう思っているんだ。」と素直に気づき、それに対して、「でもそう思わなくてもいいかも」と視点を変えた気づきが得られることがあります。

ストレスに対して、なんとなく対処できる術があるんだと思うだけで楽に生きられる気がします。